水耕栽培事業でのグローバル化を目指して「きのくに農業村」

和歌山県橋本市農事組合法人 きのくに農業村  今月は、きのくに農業村様をご紹介いたします。きのくに農業村様は、和歌山県橋本市の温暖な気候に位置し、TPP対策の交付金の「産地パワーアップ事業」に採択され、平成29年3月に完成されました。代表理事の山本様は、サラリーマン時代から、水耕栽培に興味をもたれ、さまざまなプランを検討されておられたそうですが、岡山のアットファーム倉敷様の、ナッパーランド苗テラスを見学され、導入を決断されたそうです。特に、生食用のホウレンソウ栽培が周年可能なこと、苗テラスによる人工光の閉鎖型育苗装置による苗生産が決め手になったとのことでした。山本様は、3年前に帰農され、露地栽培で3ヘクタールほどネギなどを栽培されてこられたそうですが、かなり生産量にムラがあり、経営における安定供給に対する価値を重要視されたのも、水耕栽培事業を行う理由の一つだそうです。  1,170坪のハウス内で、2人3脚で立ち上げてこられた比喜多様の社員掌握能力をはじめ、多くのパートさんにより、整然と作業が効率的に行われている様子は、太陽光利用型植物工場と呼ぶにふさわしい施設と感じました。  ホウレンソウの主な出荷先は、今のところ関西のスーパーですが、大手コンビニから打診があり、その対応のため、施設を改良されて、近日中に出荷すべく準備を着々と整えられている様子でした。また、ハワイ、シンガポール、マレーシアへの輸出も検討されており、近い将来タイにおいて、事業の拡大を検討中とのことで、更なる飛躍と拡大をしていきたいと抱負を述べられました。 弊社としても、海外事業展開の際は、できる限りのご協力をしたいと思います。 経営概要 ハウス 間口9m×5R×39m~105m 1,170坪 品目 ホウレンソウ、コネギ 出荷調整 別棟 被覆材 フッ素フィルム 移動ベンチ 17.2m×88列 16.2m×20列   29ブロック 育苗 苗テラス 5段8棚2室 パート 30名 販売先 本文参照



物流の強みを生かして、アグリ事業に参入「日通ファーム株式会社」

山梨県北杜市日通ファーム株式会社  今月は、日通ファーム株式会社様をご紹介いたします。日通ファームの親会社である日本通運株式会社様は、2013年当時、特に地方においてつながりの深い「農業分野」の発展に貢献しうるような、新しい取り組みを模索しておられました。そして、農業分野をより深く理解するために自ら「生産」にチャレンジすることになり、どのような生産方式が良いかを比較検討されたそうです。その結果、企業が安定して行うことができ、なおかつ採算性確保が可能なものとして「太陽光利用型植物工場」を選択し、その中でも長年の経験をもつ三菱樹脂アグリドリーム社(現三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社)の、ナッパーランドと苗テラスを組み合わせたシステムを採用することになりました。 具体的な農場設立に当たっては、候補地となりそうな自治体をいくつも回り、企業誘致の実績が豊富で、気象条件・水・消費地アクセスもよい山梨県北杜市に決定されました。ハウスに関しては、TPP対策の「産地パワーアップ事業」に採択され、規模も1.2ヘクタールと大規模なものを計画し、特に地元の人を30名近く雇用し、地域の活性化に大きく貢献されています。 2016年の夏から造成工事を着工し、2017年9月に完成し、北杜市長をはじめ多くの来賓を招いて、竣工式を盛大に開催されました。 2017年8月から試験栽培を開始し、10月にはほぼ全面稼働されました。パクチーを主体にホウレンソウも栽培され、パクチーは大手会員制スーパーに販売開始しています。また、販路拡大のための営業活動に積極的に取り組んでおられます。 ハウス 間口8m×10R×69m(第一農場)間口8m×7R×93m(第二農場)間口8m×2R×87m(機械、出荷調整等)  合計3,505坪 品 目 パクチー、ホウレンソウ 出荷調整 ハウス内 被覆材 フッ素フィルム 移動ベンチ 20.2m×240列 19.2m×25列   53ブロック 育苗 苗テラス 5段12棚4室 パート 29名 販売先 本文参照